無事に保護されたというニュースに、ざわつく胸を撫で下ろす。

安心した。

不明男児の祖父の心境を思うと、いたたまれなかっただけに、良かったということしか思い浮かばなかった。

発見したのが警察ではなく、ボランティアの男性。

しかも、70代後半。

素敵なことだと思う。

ＡｂｅｍａＴＩＭＥＳ(「大臣が来ようが関係ない。罰を受けても直に家族にお渡ししたかった」行方不明２歳児を発見した男性が会見

2018.08.15 13:30)より、引用。

https://abematimes.com/posts/4742675

山口県周防大島町で行方不明になっていた２歳の男の子を発見した捜索ボランティアの男性が15日午後、報道陣の取材に応じた。

　発見したのは、大分県の尾畠春夫さん（78）。「学歴もない何もない人間だが、65歳で鮮魚店を辞めて、残りの人生を社会にお返しさせてもらおうと思ってきた。残りの人生を社会にお返しさせてもらおうと思ってきた」と、全国各地で車中泊しながらボランティア活動を行ってきたという。

今回も広島県でのボランティアを終え一時帰宅していたが、報道を見て昨日午後に現地入りし捜索に当たっていた。「大分の佐伯で２歳の女の子を探した経験から、下るということはないと思っていた。不思議なもんで、子どもっていうのは、上に上がるのが好きみたい」と話し、今朝は家族から行方不明になった場所を聞いて、「絶対この上にいるなと確信した」という。

　そして尾畠さんが理稀ちゃんの名前を叫びながら、曽祖父の家の北側にある山を700メートルほど登っていたとき、「おいちゃん、ここ！」という返事が聞こえ、沢の苔むした岩の上に座っている理稀ちゃんを見つけたという。

　「一瞬、心臓が止まりそうな感じがした。近づいて、"頑張ったね"と言って、飴の袋を取り出したら、袋ごと取って手を突っ込んで開けようとした。自分では破れなかったから、開けて渡してあげたら口に入れて、途端にガリガリと噛んだ。この声の出し方、飴玉を袋ごと取って口に入れる様子を見て、これは大丈夫だなと思った」。

　家族に対し「私が抱きしめて直にお渡しします」と約束していたという尾畠さん。「口約束も契約。警察が"渡してください"と来たけど、"イヤです"と言った。言うたことは守る。なんぼ警察が来ようが、大臣が来ようが関係ない。理稀ちゃんの顔を見せたときは、お母さんはもう声が出なかったな。あの嬉しそうな顔は、一生焼き付いて離れんだろうな」と振り返り、「人の命って重いから、何かお手伝いさせてもらえいたいなと思って参加した。尊い命が助かってよかった。"おいちゃん、ここ"と言った時は嬉しかった」と涙を浮かべていた。

　記者に座右の銘を尋ねられた尾畠さんは「朝は必ず来るよ」と答え、理稀ちゃんには「人の痛み、悲しみのわかる人間になってくれたら」と話していた。

引用、以上。

この方の志。心。

腐った政治家どもや、日大やボクシングの関係者たちは、何を思う。

私は、こいつらを「老害」だと思うが、このボランティアの男性は、この老害どもと同じ世代であっても、立派な志を持たれている。

こうした尾畠さんのような心根の方には、自ずと敬意をもって、頭が下がる思いになるのである。

政治家だから、前議長だからわしは偉いんだと、ふんぞり返っていたＵ議員だとか、尾畠さんに比べたら、糞にもならぬ。

この尾畠さんのような心根こそ、「本物をやろう」ということではないか。

爪の垢でも煎じて飲んでみろってんだ。